◆その44~丸玉神と宇宙のチカラ

陰陽師-穂積天佑のコラム

幼い頃、私は時折不思議な夢をみることがありました。一つ目小僧と、頭から御幣の冠をかぶった人が私を見つめ、カラダは金縛りの状態、鈴の音が耳元でさやさやと鳴り、しまいには大きな大きな丸い球が私めがけて転がってくる――。

この恐ろしい夢のおかげで慢性不眠症になりましたが、四十年の歳月が経過した頃、夢が示す意味を知るような出来事がありました。

それは相談者の方と山梨県にある小さな滝を訪れたときのこと。病を治すチカラがあるという不思議な水が流れる滝のそばに、水神の祠が祭祀されていました。
そこには夢に出てきた「丸い石の玉の御神体」が祀られており、それを見た私は「ああ、これだ、このことなんだ……」と悟ったのです。

それからというもの、ある人が屋敷神として祀る丸石の御神体を納めに来たり、パワーストーン好きの方が丸い石の飾り物を奉納しに来たり、旧知のお守り屋さんに大きな丸い石をいただいたり……、ということが続きました。

丸石の御神体は山梨県に多いようですが、奈良県や遠く中米コスタリカにもあり、それらは太古の昔、五旁星とは違う形で信仰対象とされた、天体の星を象ったもののようです。

伊勢の神宮に代々仕える大宮司に伝えられる、丸石神への「祈りの詞(ことば)」があります。
「鬼を去る玉なれば、天魔疫病(てんまえきれい)の恐れなし」
「如意宝珠(にょいほうじゅ)なれば、宝において明き満てり」
「国を守る玉なれば、息災にして天が下を治む」
「龍王の玉なれば、水火において自在なり」

この詞が意味するのは、
「鬼のチカラを奪い去る玉だから、天からやってくる魔物、病魔をも恐れる事はない」
「いかなる願い事も叶える宝珠だから、物心両面において豊かになる」
「国を守護する玉だから、人々が安心して生活できるよう導く」
「龍王が持つ玉だから、水のチカラも火のチカラも自在に操り動かせる」というもので、星への信仰が“聖なる丸石神”という形にも現れたようです。
ちなみに、これも後日わかったことですが、幼い頃の「悪夢」に現れた一つ目小僧は、日本神話で北極星を表す「天目一箇(あめのまひとつの)神(かみ)」が変化した姿。

そして御幣の冠をかぶった人は、いにしえの陰陽師の姿で、星への信仰を表す丸石神は、現代のパワーストーンの腕輪の丸玉につながっていたのです。

ふるきよに ほしをまつれる まるいしは いまよのひとも うつみちびけり

(古き代に 星を祀れる 丸石は 今世の人も 宇宙導けり)

穂積天佑

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