◆その1~神社参拝の方法と意味
陰陽師-穂積天佑のコラム
私たちが神社を参拝する時、パチパチと手を打ちます。正式には「柏手(かしわで)」と言い、その起源は今から二千年ほど前、我が国に存在した邪馬台国での礼法に由来します。邪馬台国について記されている中国の歴史書『魏志倭人伝』には「高貴な方へ挨拶をする時に、拍手をして、ひれ伏した」との記述があり、この礼法が神々への拝礼作法に転用したのではないかと推測されます。
通常、神社での拝礼方法は「二拝二拍手一拝」(神前で二回深くお辞儀をし、二回柏手を打ち、一回お辞儀をする)とされますが、一律ではありません。私が宮司を務める子之神社では「二拝四拍手一拝」、伊勢の神宮では「二拝八拍手一拝」なのです。
拝礼の際の二拍手には「周囲の邪気を拍手の音で祓う」という意味がありますが、四拍手は神々の四つの御魂(みたま)である「荒(あら)御魂(みたま)」(活動的なタマシイ)、「和御魂(にぎみたま)」(平和で穏やかなタマシイ)、「幸御魂」(幸福を呼ぶタマシイ)、「奇(くし)御魂(みたま)」(奇跡を呼ぶタマシイ)すべてに働いていただくことを祈念する意味があります。
伊勢の神宮は、日本の中心的な神社であることから、八拍手は神宮の祭神であられる天(あま)照(てらす)大御神(おおみかみ)を中心とした八百万(やおよろずの)神々(かみがみ)すべてに働いていただくことを祈念する意味があります。
神々への拝礼で一番大切なことは、このようなカタチとともに、ココロのこもった礼であることです。それこそが、神々が私たちの祈りにおこたえくださり、開運へと導かれる要(かなめ)であると思うのです。
ひとはみな かみのみこなり をろがめば
よつのみたまぞ さきはふをしる
(人は皆 神の御子なり 拝めば 四つの御魂ぞ 幸うを知る)
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