◆その9~神棚と仏壇
陰陽師-穂積天佑のコラム
古い歴史を持つ旧家を訪れますと、黒光りのする木造の室内の高い所に神棚があり、天照大御神や産土神の神札をお納めした守護のお社が安置され、居間には祖先の位牌や守護仏を供養するための金箔もきらびやかな仏壇が供えられているのを見ることができます。
このように日本は古くから、神と仏が仲良く共存する国なのです。
巫女祈祷師であった祖母がよくこう言っていました。
「神棚にまつられている神々様は、私たちをいつも見守り、何でも言う事を聞いてくださる御存在さね。だからね。神棚の前では、どんなお願い事も、また時には不平不満を言っても、神々様は、優しく受け止めてくださるさね。しかし、お仏壇の御先祖様の前では、ひたすら感謝の気持を述べること。御先祖様は、生きている間に十分働かれて、静かに休んでおられるものさね」。
「神へは祈願、先祖へは感謝」
祖母の言葉、深い示唆に富むものがあります。
かみほとけ ともにまつれる ならはしは
やまとしまねの くにぶりなれり
(神仏 共に祀れる 習わしは 大和島根の 国風なれり)
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