◆その11~開運する祈り方
陰陽師-穂積天佑のコラム
中世に我が国の宗教界を席巻した、唯一神道の大成者、吉田兼倶(よしだかねとも)卿(きょう)が著された『神道大意』(文明十八年/一四八六年)の中に、「心は即ち神明の舎、形は天地と同根たり」という記述があります。その意味するところは、「人の心は、神のお住まいになるおやしろであり、その根源は、天地と同じなのだ」ということです。
人は皆、子供の時分は常に新鮮な発見やときめきが心の中にあるものです。それは純真な子供の心に神の御霊が寄りやすい、という証しなのかもしれません。
しかし、大人への階段を上るにつれ、心の中は何かで一杯になってしまう。仕事、社会、人間関係…etc。そして、心の中にはいつも、ある種のあきらめの観念が漂うこととなる……。
そんな心の部屋をきれいに清掃して、子供の頃の無邪気な状態に戻せば、神の御霊は降臨し、人生への夢やときめきも戻り、開運していくのだと、吉田兼倶卿はおっしゃっておられるのだと思います。
そして、心のより良き状態がそうであるならば、神への祈りの姿勢もそうあるべきだと思うのです。
あれやこれやと様ざまな頼み事のお祈りをするよりは、無念無想、透明な気持ち、心のもと、静かに祈る。それこそが、大いなる開運へと導かれる一番の手段であると思うのです。
こころをば きよめはらへば すめかみは
とはにさきはふ こととしるなれ
(心をば 清め祓えば 皇神は 永遠に幸う 事と知るなれ)
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