◆その50~ 心浮き立つ幸運

陰陽師-穂積天佑のコラム
天照大御神(あまてらすおおみかみ)の御孫(みまご)、邇邇芸尊(ににぎのみこと)が、高天原(たかまのはら)から降臨(こうりん)された折、一行の天之宇受売(あめのうずめ)と天之八衢(あめのやちまた)で出会い、共に「天孫降臨の大業(たいぎょう)」を成し遂げた「猿田彦(さるたひこ)大神(おおかみ)」という神さまがおられます。
天孫降臨の後、伊勢(いせ)の海で漁をしていた猿田彦が、比(ひ)良夫(らふ)貝(がい)に手を挟まれ海に沈んだとき、海面に底度(そこど)久(く)御魂(みたま)、都夫(つぶ)多都(たつ)御魂(みたま)、阿和(あわ)佐久(さく)御魂(みたま)という三体の御魂が出現しました。

この出現はいつしか「宇迦之(うかの)御魂(みたま)……浮かび上がる三つの御魂(みたま)等(たち)」と呼ばれるようになり、生産と繁栄の神であるお稲荷(いなり)様の元となり、猿田彦は大きく生まれ変わります。
そして現世では、心がウキウキするような楽しい出来事がありますと、まさに「浮かぶ心―魂」→「ウカノミタマ」につながり、猿田彦へと結びつくことから、「災(わざわい)去(さ)る(猿田彦)、福(お多福(たふく)―天之宇受売)来(きた)る」運勢となるのです。
あなた様も、心浮き立つような楽しき旅をされたり、夢中になることのできる趣味を見つけて没頭されますと、知らず知らずのうちに、幸運へと導かれてまいります。
猿田彦と天之宇受売の御稜(みい)威(つ)(御威力)のままに……。
こころをば うきたつときぞ ひとのよは さきはふものと かみはさとせり
(心をば 浮き立つ時ぞ 人の世は 幸うものと 神は諭せり)
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