◆その27~見えないチカラ
今から十三年ほど前のこと。長年使っていたパーソナルコンピューター(以下PC)の調子が悪くなりました。PCに詳しい知人に聞いてみましたらば「機械の寿命」とのこと。そうは言われても、新しいPCを買うカネもなし! どうしたら良いかしら……。誰か、タダであげますよ! なんて言ってくれる人いないかなぁ。仕事に欠かせない存在だし……。ああ、神様、お願いします!そこには手を合わせて祈る私がいました。
翌朝、一通のメールが携帯電話に入りました。それは私の一番古いお客様のKさんからでした。私より一回り下の女性ですが世代を越えて価値観が合い、個人的にも親しくさせていただいていました。
「宮司、PCを新しくする予定ありますか? 私のPCをもらってほしいんだけれど、できれば宮司に使ってほしくて! 連絡ください」――聞けば仕事の都合で新型PCを買うので、三年ほど使ったPCを私に譲りたいとのこと。場所もとらず、使い方も親切に教えてもらい、「願ったり、叶ったり」の結果となりました。
私の問題はこれで解決したのですが、今度は彼女に新たな問題が発生しました。Kさんの愛車が古くなり故障も増え、乗り続けることが困難になったというのです。彼女も私と同様に、手元不如意! 新車を買えば二百万円以上、中古車でも数十万円……。私はどうしたらいいの? 神様、お願い、助けて! 思わず手を合わせて祈ったそうです。
翌朝、彼女の携帯電話が鳴り響きました。それは彼女のかつての勤務先で取引のあった社長夫人からでした。
「Kさん元気にしてる? ところでお車を買い換える予定あるかしら?」――聞けば社長夫人が所有する三台のうち、ほぼ新品同様の一台を手放すので、お世話になったKさんに譲りたいと。「元手がかかっているので無料というわけにはいかないけれど、一応見るだけ見てくれるかしら……」
早速Kさんが見に行くとそれは素晴らしい高級外車で、しかも社長夫人が提示したお値段は何と二万五千円也! 彼女は「これは神様のお助け、おめぐみ」と感じたそうです。
私の場合も、Kさんの場合も、「見えないチカラ」が働いていたとしか思えないものがあります。そして、私とKさんとの不思議な結び付き、御縁にも、「見えないチカラ」が働いているようです。
あなた様が、これから開運されるのか、否かは、あなた様がこの「見えないチカラ」を信じられるか、否かに掛かっている、と言えるのです……。
めにみへぬ かみのみちから しんずるは
うんぞひらくる もとはじめなり
(目に見えぬ 神の御力 信ずるは 運ぞ開くる 元始なり)
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