◆その3~陰陽道と運命学
陰陽師-穂積天佑のコラム
我が国に古くから伝わる陰陽道は、今から千四百年以前の飛鳥時代に大陸から伝えられた「陰陽五行説」の理論を元に形成されたといわれます。陰陽五行説とは古代中国の宇宙観で、宇宙は陰と陽、そして木火土金水の五行によって生成発展すると説く学問、教え、道であるとされています。
日本にも、古くから伝承される神話の中に陰と陽の理論があります。例えば、日本書紀神代巻の巻頭には「はるかなる昔、天地がいまだ分離せず、陰と陽の区別がつかなかった時、宇宙は、鳥の卵の中身のようであった」との記述があります。
また古事記上巻の伊耶那岐命と伊耶那美命が神々をお産みになられる段で「あなたのへこんでいるところに、私の出っぱっているところを刺し入れて、国土を生成しましょう」との伊耶那岐命の言葉は、よく言われる性的行為の事というよりは、陰と陽の一体化による生成理論を表している、とも思われるのです。
大陸渡来の理論と我が国の神話論とが結び付いて形成されていった陰陽道は、飛鳥時代の大修行者「役(えんの)行者(ぎょうじゃ)」を伝説的な祖先とする「賀茂一族」により伝えられ、都の風水の形成や、人々の吉凶を占う理論として用いられてきました。その後、彼らの末裔である賀茂忠行卿、保憲卿父子によって安倍晴明公に伝えられ、大成されるのです。
安倍晴明公から千年の時を超えた現在でも、陰陽道は人々の運気向上を計るための理論として、大きく活用されているのです。
かみよより ゆかしくつたふ めをのみち
うんぞはかれる かなめなりけり
(神代より 由々しく伝う 陰陽の道 運ぞ計れる 要なりけり)
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