◆その4~霊現象と対処法
役行者、そして安倍晴明公の折から陰陽師の主たる業(わざ)の一つに「憑き物(つきもの)落(お)とし」があります。これは霊に憑依された人や家、土地をお祓いするものです。
先日、故郷浜松に里帰りした時のこと。宿泊先のホテルの料金が広さに比べ異常に安いと思っていたところ、いわゆる「幽霊の出るお部屋」でした。深夜のドアのノック音、走りまわるような音、顔を触れられる感触、そして現実に目の前に現れた亡霊たちには随分と悩まされましたが、「鎮魂法」という行法を行ったところ怪奇現象が鎮静化し、二日目の晩には霊たちから「感謝の言葉」を捧げられ、ともに酒を酌み交わした……という出来事がありました。
普通の生活をしているあなた様に、もし同様のことが目の前で起きた場合、恐怖感が先行しパニックになってしまうかもしれません。そんな時に、ご自身で出来る対処法をお教えいたします。
まずは霊現象から身を守る基本アイテム「御守」。産土(うぶすな)神(かみ)の御守や信仰される神社の御守を、普段から身に着けると良いでしょう。私が宮司を務める子之神社には「霊鬼除(れいきよけ)守護(しゅご)」という霊現象専門の御守を御用意しております。
次は塩です。塩は「大祓(おおはらえ)詞(ことば)」にある「祓(はらえ)戸(ど)の大神(おおかみ)(お祓いに御力を発揮される神)」であられる神々(瀬織津比咩(せおりつひめ)、速開都比咩(はやあきつひめ)、気吹(いぶき)戸主(どぬし)、速佐須良比咩(はやさすらひめ))の神力(しんりょく)がこもった重要アイテムです。袋などに入れ身に着ければ、常に祓戸の大神があなた様をお祓いしてくださり、土地や家にまけば、その場がお祓いされます。
夜、金縛りや悪夢にうなされる方は、お部屋やベッドの四隅に盛り塩をすることで安眠できるようになるでしょう。また霊の気配がするお部屋に盛り塩をすることも有効で、軽度の霊現象ならば消えていくものです。
ただ、あまりにも重い、また尋常ではない霊現象が起きた場合は、悪化する前に専門の霊能者に相談するのが一番です。もちろん、私、天祐も、あなた様のそんなお悩みにおこたえします。
ねのくにの すさぶるみたま はらふれば
こころおだひに たつきゆくなり
(根の国の 荒ぶる御霊 祓うれば 心穏いに 生活行くなり)
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