◆その25~御守は、神々との絆(きずな)

陰陽師-穂積天佑のコラム

 昨今のパワースポットブームで、全国各地の神社には様々な御守が出ているようです。中には驚くような独特のデザインの御守もあって、もしかするとあなた様も、色々とお持ちかもしれません。御守は、神々の「分け御霊(わみたま)」をお納めしたお品で、持ち運びのできる「小さな神社」とも言えます。

 今から二十年ほど前のこと。十九歳の大学生Aくんが、古神道や陰陽道を学ぶため私のもとへ通っていました。彼には弟子の証しに、水晶の勾玉、管玉、丸玉で作られた古代型の連珠の腕輪を授けました。

 ある夜、Aくんが車を運転していると、対向車線に妙にクネクネと蛇行しながら走る車を目撃したそうです。次の瞬間、その車はセンターラインを越え彼のほうへ突進! Aくんは必死にハンドルを切り、すんでのところで無事止まることができました。その車もすぐ近くに止まり、中から出てきたのは七十代後半の高齢ドライバー。あたふたと何もわからない様子のお年寄りであったため、Aくんは怒りの感情を押さえ「気を付けて運転してくださいね」とひとこと告げ運転席に戻りました。すると、左手首に着けていた水晶の腕輪がない!  座席まわりを探しても見つからない!

 ……その時、神々が自分を守ってくださったことに気付いたそうです。

 彼のこの体験は、御守を身に着けることは「神々が御守りくださる」こと、御守は「神々との絆(きずな)」であることを意味します。大切な愛弟子Aくんにはその後、新しい水晶の腕輪を授けました。私のもとを離れた今でも大切に身に着け、日々神さまの御加護を感じているとのことです。

 御守を常に身に着け、またポケットの中やカバンなど御身の側近(そばちか)くに置くことで、あなた様はまさに神々の御守護を受けることができるのです……。

いかならむ わざはひくるも すめがみの
               わけのみたまは なれまもるなり

穂積天佑

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