◆その45~御守・神札の「してはいけない」扱い方

これは私が神職になる前の一時期、公立中学校の教師をしていたときの出来事です。
職員同士で結婚する先生にむけて、職員全員の寄せ書きと、お二人の学校生活での写真を一冊のアルバムに納めてプレゼントすることとなりました。
完成したお祝いのアルバムをみんなで見ていたとき、私はあるページを見てビクッとしました。

お二人が引率した修学旅行の写真と一緒に、京都のある有名神社の神札が、写真の間にワンポイントのような感じで貼り付けられていたのです。
思わず、「これ、神様の御分身の神札ですよ。こういう扱い方、いけないと思いますが」と申したところ、アルバムを作ったと思しき二十代の女性教師が「先生は神社の方だからそんな小うるさいこと言われるけど、お札なんて単なる紙ペラ。神主さんたちの生活を維持するための売り物でしょ!! そんなことより写真の間に貼るデザインが良いと思わない?」と答えたのです。
私は申し上げる言葉を失い、何とも言えぬ無力感、喪失感の中で立ち尽くしていました。
アルバムは結局、そのままお二人にプレゼントされました。
教員夫婦は最初こそ仲睦まじい様子でしたが、三年経過する頃には関係がギクシャクし、最終的にはお互い別の道を歩むこととなりました。
そして、アルバムに神社の神札を貼り付けた女性教師は、半年後にお元気だったお父上が急死され、その一年後には受け持ちのクラスで大事件が起こり教育現場を去る事態となりました。

その後どうされたのか、どこへ行かれたのかは、誰もわからないとのこと……。
神札や御守は、その神社の神様の御分霊(わけみたま)が籠った「神の御分身」です。
そのことを心の内にしっかりと刻み、お持ちになるべきでしょう。
みまもりは すめがみたちの わけみたま なれまもらんと きたるなりけり
(御守は 皇神等の 分御霊 汝護らんと 来るなりけり)
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